2007年9月20日木曜日

ブラウザがOSくらいに重要に

 シマンテックが、ノートン・アンチウィルス2008の発表を行った。ノートン360と同様、1つのライセンスで3台のPCにインストールできるようになった。これなら価格的にも他社ツールに負けていない。

 発表会のなかでの説明で、ここ最近、とくにWebブラウザを守ることに注力しているという話があった。AjaxなどでWebブラウザだけでさまざまなことができるようになっており、Webサイトにアクセスしただけで不正コードを実行するような脅威が増えているとか。

 これに対して、怪しいサイトにはアクセスしないというのはもちろんなのだが、正規サイトに密かに不正コードが挿入されていて、知らぬ間にマルウェ アに感染してしまう可能性があるとのこと。実際、2007年のスーパーボールのサイトがハッキングされ、キーロガーが組み込まれ数千人が感染してしまった という事例が報告されていた。

 ということで、ノートン・アンチウィルス2008では、ブラウザを攻撃から防御する機能を強化したとのことだ。これは、Webブラウザがなんでも できるようになり、OSと同じくらいのレベルで守るべき対象になっているということ。このあたりは、ノートンが他社より先行している部分だとの発言もあっ た。

 たしかに、日常的なPCの利用の大部分は、Webブラウザ上の作業となってきている。メーラーも使うけど、GmailなどブラウザのWebメール での利用もそれなりに使っているし、スケジュール管理もWebブラウザから行っているなんていう人も多そうだ。ワープロや表計算だっていまはブラウザ上で できる。自分の作業だと、テキストエディタでの文章書き以外は、ほとんどブラウザだけですませられそうだ。

 こうなると、OSがどれでもあまり関係がない。さらに、ローカルにデータを保存しないのならば、PCが変わっても利用環境はほとんど変化しないこ とになる。このWebブラウザ利用頻度の増大傾向は、今後さらに強まっていくことだろう。OSの機能で優位性を出しビジネスを行っていくのは、クライアン ト環境では今後かなり難しくなっていくのかもしれない。

次の頭痛の種はウィジェット――Finjanの報告書から

Finjanによると、VistaにプリインストールされたウィジェットやiGoogleに用意されているウィジェットはユーザーを危険にさらす恐れがあるという。

 最近の調査によると、ウィジェット(時計や電卓などのツールをデスクトップに並べることができる遊び感覚のグラフィカルな小型アプリケーション)はどれもセキュリティ上の問題を抱えており、新たなマルウェアの波をユーザーのシステムに招き入れようとしているという。

 これらのアプリケーションのセキュリティホールは既に明らかになっている。8月の月例パッチで公開されたMicrosoftのMS07-048ア ドバイザリは、Vistaの「Feed Headlines」ガジェットの脆弱性に対処した。この脆弱性は、悪質なRSSフィードやリンクを呼び込む可能性があるというもの。カリフォルニア州ク パティーノに本社を置くAppleも6月、自社のブラウザエンジンであるWebKitにパッチを施した。WebKitはSafari用のエンジンとしてだ けでなく、Dashboard用のエンジンとしても利用されている。Dashboardは、気象情報、株価、試合経過などのリアルタイム情報を提供する ウィジェットセットである。

 カリフォルニア州サンノゼに本社を置くセキュリティ専門企業のFinjanの報告によると、VistaなどのOS、サードパーティーのアプリケー ション、Webウィジェットなどさまざまなウィジェット環境において、ウィジェットやガジェットのセキュリティの欠陥を狙った新種の攻撃が差し迫ってお り、この騒乱を防止するにはセキュリティモデルを修正するしかないとしている。

 FinjanのMalicious Code Research Center(MCRC)は「Third Quarter Web Security Trends Report」(第3四半期Webセキュリティトレンド報告書)の中で、「すべてのウィジェット環境はセキュリティモデルに不備があり、悪質なウィジェッ トの実行を許すことが分かった。さらにわれわれは、ウィジェット環境で(一部はデフォルトインストールとして)既に提供されている脆弱なウィジェットも発 見した。これらの例は明らかに、こういった小型アプリケーションではセキュリティに対する配慮が欠けていることを示している」と述べている。

 Finjanは以前からこの問題に取り組んでいる。ワシントン州レドモンドに本社を置くMicrosoftは、MS07-048パッチに対する同 社の貢献を認めている。また、Finjanの研究者であるアビブ・ラフ氏とイフタック・イーアン・アミット氏は8月5日、「Defcon」カンファレンス において「The Inherent Insecurity of Widgets and Gadgets」(ウィジェットとガジェットに固有のセキュリティ欠陥」と題された講演を行った。

 Finjanによると、ウィジェットとガジェットは、HTMLライクなプレゼンテーション/レンダリング手法やJavaScriptライクな APIなどのWebモデルが基本的なベースになっている。このため、これらがシステムにもたらす脆弱性の種類が、Web上に存在するものと類似していると いうのも驚くに当たらないという。しかしウィジェット/ガジェット用のエンジンは、その下にあるOSと非常に広範な接続機能を共有しているため、脅威は いっそう大きなものになる。少なくともこれは、OSネイティブのウィジェットやサードパーティーのウィジェットエンジンを利用するウィジェットについて当 てはまるとしている。

 「これにより、デフォルトでローカルリソースへの特権的アクセスを獲得できる強力な攻撃ベクター(媒介物)が提供される」とFinjanは指摘する。

 Finjanではこれまで、多数のセキュリティ上の弱点を発見した。その後で修正された弱点の1つが、Vistaのサイドバーの全バージョンにプ リインストールされている「Contacts」ウィジェットの脆弱性である。攻撃者は、不正な形式でありながら無害を装った連絡先情報を提供することによ り、ターゲットになったシステム上でその連絡先を表示させるだけで、そのマシン上でコードを実行することができる。その際、ユーザーによる操作は必要とさ れない。

 Microsoftの「Live.com」でも脆弱性が発見された。Live.comはカスタマイズ可能な新しいポータルで、RSSフィードの最 新の見出し、Hotmailアカウントの受信ボックスの内容の要約、地域の天気予報などを表示する。Live.comのRSSリーダーウィジェットには、 攻撃者からのデータフィードを通じて悪質なコマンドを招き入れるという脆弱性があった。攻撃者はこの欠陥を利用して、ユーザーアカウントから特権情報への アクセスを入手することにより、そのユーザーになりすまし、ブラウザを乗っ取ることができる。

 Yahoo!のウィジェットエンジンにもセキュリティの不備があったことが分かっている。「Konfabulator」エンジンをベースとする同 技術は、サードパーティーアプリケーションとしてインストールすることができ、ネイティブのウィジェットエンジンを備えていないOSにウィジェット機能を 提供する。Finjanによると、以前、Yahoo!のウィジェットエンジンでは「Contacts」ウィジェットに脆弱性があり、攻撃者は不正なスクリ プトを実行させることができたという。

 Finjanでは、ウィジェットやガジェットを通じた攻撃が増加すると予想している。iGoogle、Live.com、Yahoo!、Vista、Mac OS上で利用できるなど、ウィジェットやガジェットは広範に普及しているからだ。

 FinjanのMCRCでは、信頼できないサードパーティーのウィジェットは使わないこと、そしてシステムをコントロールする力を持った本格的な アプリケーションとしてウィジェットを扱うようユーザーにアドバイスしている。また、インタラクティブなウィジェットの使用に際しては注意が必要だとして いる。この種のウィジェットは、RSSや気象情報といった外部からのフィードを利用するため、信頼されたコンテンツに悪質なペイロード(コード)を便乗さ せるチャンスを攻撃者に与える可能性があるからだ。

 セキュリティポリシーに関しては、Finjanはウィジェットおよびウィジェットエンジンに対して厳格なポリシーを適用すべきだとしている。 「ウィジェットは重要な業務アプリケーションや生産性向上ツールとは見なされないため、従業員によるウィジェットやガジェットの利用は制限すべきだ」と MCRCは報告書に記している。またFinjanによると、ウィジェットやガジェットはゲートウェイでブロックすることにより、社内ネットワークから遮断 すべきだという。

 「ベンダーもユーザーも、あらゆゆるアプリケーション、たとえビジュアルなエンターテインメント用として作成された小さなアプリケーションであっても、セキュリティに対する潜在的脅威になるという認識を持たなければならない」とMCRCの報告書は指摘する。

 「ウィジェットやガジェットの脆弱性は、攻撃者がユーザーのマシンを支配することを可能にする。このため、ウィジェットやガジェットは、ユーザー がそのメリットを享受できるようにするために、セキュリティを念頭に置いて開発すべきである。この攻撃ベクターは業界に大きな影響を与える可能性があり、 企業は広範囲にわたる新たなセキュリティ懸念に早急に対処しなければならない。企業に必要なのは、こういった環境の変化に対処することができ、コードをリ アルタイムで分析し、これらの斬新な攻撃ベクターに含まれる悪質なコードを検出することによって万全の防御を提供するセキュリティソリューションだ」

Firefox関与のQuickTime脆弱性、US-CERTなどが危険度「高」と評価

 MozillaのFirefoxブラウザ経由でAppleのメディア再生ソフトQuickTimeの脆弱性を悪用するエクスプロイトコードが公開された問題で、米US-CERTや仏FrSIRTが正式なアドバイザリーを公開した。

 FrSIRTによると、QuickTimeリンク(.qtl)ファイルの「qtnext」パラメータ処理方法に設計上のエラーが存在する。影響を受けるのはQuickTimeのバージョン7.xで、深刻度は4段階で最大の「Critical」と評価している。

 US-CERTによれば、QuickTimeにリンクさせたファイルはWebページに組み込んで、ユーザーがそのページを訪れると自動的に立ち上 げるようにすることが可能。リモートの攻撃者がユーザーをだまして細工を施したQuickTimeファイルを開かせることにより、任意のコードを実行でき てしまう恐れがある。

 現在公開されているコンセプト実証コードは、Firefoxがデフォルトブラウザになっているシステムをターゲットとしているが、ほかのアプリケーションもこの脆弱性の影響を受けるという。

 Appleの公式パッチはまだリリースされていない。当面の回避策としてUS-CERTでは、Firefox拡張機能のNoScriptを使うなどしてQuickTimeムービーへのアクセスを制限する方法を紹介している。

ACCESS、携帯向けWebブラウザが4億台突破

 ACCESSは9月4日、携帯端末や情報家電向けのWebブラウザ「NetFront」の世界での累計搭載数が8月末で4億台を突破したと発表した。NetFrontは1996年に発売。搭載数が1億台を突破したのは2003年10月だった。

 2億台突破は2年後の2005年9月、3億台突破はその15カ月後の2006年11月だった。3億台から4億台までは9カ月しかかかっておらず、 成長ペースが上がっていることが分かる。1億台突破時に267機種だった搭載機種数は、今年8月末には1233機種まで拡大した。

 NetFrontの搭載は当初は携帯電話が中心だったが、デジタルテレビやセットトップボックス、カーナビなどにも搭載されるようになり、搭載数が膨らんだ。

Webアクセシビリティ診断機能を搭載した「やさしいブラウザ」が登場

インフォ・クリエイツはWebページの拡大表示や音声読み上げを行う「やさしいブラウザ」の最新版を公開。Webアクセシビリティの診断機能が搭載された。

Web ブラウザ『Firefox』で P2P ファイル共有

『BitTorrent』は、最も人気の高いピア ツー ピア (P2P) ファイル共有の仕組みの1つだ。これまで BitTorrent のクライアント アプリケーションは、単体のツールとして機能するものが多かった。しかしオープンソースの新興会社 AllPeers Ltd. が作成したツール『AllPeers』は、Web ブラウザ『Firefox』のなかで BitTorrent を活用するものだ。

Allpeers Ltd. の CTO、Matthew Gertner 氏は次のように語った。「AllPeers を使えば、トレントのリンクをクリックするだけで、通常ファイルをダウンロードするのと同じように、目的のファイルをブラウザの中でダウンロードできる。 AllPeers 独自の『Social BitTorrent』という機能により、トレントからファイルのダウンロードを行ない、同じくドラッグして共有する機能を使ってファイルを誰かと共有で きる。ファイルを共有する最も抵抗の少ない方法だ」

Allpeers Ltd. は P2P ファイル共有環境を2年以上前から提供しているが、これまでは自社のプライベート ネットワークに限定していた。今回の Allpeers によって、ユーザーが利用できるファイルの数が大幅に増えることになった。

しかし Allpeers 機能は、多くの BitTorrent クライアントのようなフル機能のクライアントではない。AllPeers のユーザーは、任意のトレント トラッカーを作成できず、既存のものを用いるほかない。

Gertner 氏によれば、これは法的および技術的な理由によるものという。つまり AllPeers Ltd. は、ユーザーの誰かが共有する権利を持たないファイルのトレント トラッカーを作った場合、法的なリスクを被る可能性を恐れている。

AllPeers がトレントの検索機能を備えていないのも同じ理由だ。

Gertner 氏は、「それらが必ずしも許可を得ているものとは限らず、当社がそのような行為の源になるのは避けたかったため、(検索機能は) 必要なかった」と述べた。

オープンソースWebブラウザ「Firefox」,3年弱で4億ダウンロード達成

 米Mozilla FoundationのオープンソースWebブラウザ「Firefox」のダウンロードが,リリース開始後3年弱で4億回に達した。Firefoxの普及 促進を図るコミュニティ・サイト「Spread Firefox」が米国時間9月7日に明らかにしたもの。

 Firefoxは,2004年11月9日に初めて正式版を公開(関連記事:ついに公開,Firefox正式版)。その後99日で2500万回ダウンロードされ,約半年で5000万ダウンロード(関連記事:Firefoxの累計ダウンロード数が公開から約半年で5000万件に),1年で1億ダウンロードを記録した。2億ダウンロードを突破したのは,約1年前の2006年7月末だった(関連記事:Firefoxが累計2億ダウンロードを突破)。

 米メディア(CNET) は,「ダウンロード回数と実際にインストールされている件数を混同してはいけない」と忠告する。「しかし,数年前のブラウザ市場がまるで 『Internet Explorer』の独占状態のようだったことを思えば,4億ダウンロードという数字は注目に値する」(CNET記者のStephen Shankland氏)。

 Mozilla Foundationの開発スケジュールによると,次期版となる「Firefox 3」(開発コード名は「Gran Paradiso」)はアルファ7番を8月にリリース済みで,今秋に正式版を公開する予定である。

ブラウザでデスクトップを再現する“WebOS”の「ajaxWindows」公開

 Web開発企業のAjax13は10日、ブラウザをOSとしてとらえた新サービス「ajaxWindows」を公開すると発表した。

 ajaxWindowsは、Internet Explorer(IE)とFirefoxに対応しており、PCのデスクトップにあるドキュメントや画像、音楽、アドレス帳などをユーザーのGmailア カウントにファイルとしてシンクロ・保存する。このことによって出先のPCやスマートフォン、PDAなどからいつでも同じデスクトップにアクセスすること ができるとしている。

 ajaxWindowsは、Ajax13が開発している他のWebアプリケーション(ajaxWrite、ajaxPresents、 ajaxSketch、ajaxXLS、ajaxTunesなど)と密接に統合されているだけでなく、Google Docs & SpreadsheetsやGizmo ProjectのVoIP電話など、他のサービスのランチャーソフトとしても機能しているように見える。動作している様子は、ajaxWindowsのサ イト上で公開している動画によって見ることもできる。

 Ajax13は2006年にMichael Robertson氏によって設立された会社で、同氏が現在CEOを務めている。Robertson氏はMP3.comの創業者としてよく知られているほ か、最近ではLinux OSのディストリビューション企業であるLinspireの創業者や、VoIP電話のSIPphone.comのCEOとしても知られている。

ブラウザで手軽にファイル送信する

 Webブラウザベースのインスタントメッセージングサービス「meebo」に、ファイル転送機能が付いた。

 meeboは、AIM、ICQ、Yahoo! Messenger(米)、Jabber、GoogleTalk、MSNといったインスタントメッセンジャー(IM)を、Webブラウザだけで利用できる サービス。各サービスのアカウントさえ取得しておけば、専用アプリケーションのダウンロード/インストールの必要なく、いろいろな相手とIMが可能にな る。

ks_meebo1.jpg ファイル送信アイコンを選んでファイルを選ぶだけ。手順は簡単

 このmeeboのファイル転送機能を使うことで、かなり手軽にファイルのやりとりが可能になる。手順はシンプル。まずmeeboにログインし、ファイルを送りたい相手のIMアカウントをダブルクリック。

 メッセージ送信ウインドウが開くので、上部の書類と矢印のアイコンをクリックする。送りたいファイルを選んでOKを押すだけだ。

 編集部でテストしたところ、送信できるファイルサイズの上限は、ほぼ10Mバイト。8Mバイト級のファイルも無事送信できた。

 受信側はどんな形になるかというと、通常のIMのファイル送受信とは違い、meeboからURLが送信される。このURLを開くと、meeboの画面が開き、「ダウンロードしますか?」と聞かれるというわけだ。

ks_meebo2.jpgks_meebo3.jpg 受信側はIM(この場合Windows Messenger)にmeeboからURLが届くので、ブラウザで開いて、「Accept」を押し、ダウンロードする

 ポイントは3つある。

 1つはmeeboがWebアプリケーションであり、IMがインストールされているかどうかに関係なく使える点。ほかの人のPCであっても、ネット喫茶のPCでも(セキュリティには気をつけなくてはいけないが)利用できる。

 2つ目は、やりとりした履歴をmeebo側で保存してくれるという点。過去の履歴を保存してくれなかったり、保存していたとしてもローカルHDDの奥深くにため込んだりするIMアプリケーションが多い中、履歴を一元管理できるのは便利。

 3つ目は、履歴が残ることとファイル転送の仕組みの組み合わせ技だ。送信したファイルはいったんmeeboのサーバに保存され、そこからダウンロードするという形を取る。そのためあとから履歴を見て、ゆっくりとファイルを受け取ることができるのだ。

 なお、現状ファイルの送受信には少々制限がある。編集部で試したところでは、meeboからIMへのファイル送信は可能。meeboから meeboへのファイル送信も可能。しかしIMからmeeboへのファイル送信は行えなかった。この点にうまく注意すれば、メールよりも手軽にファイルの 受け渡しができるだろう。

今回のレシピ
アプリケーション meebo

国内60サイトに1サイトがブラウザによっては表示されない可能性

 異なるWebブラウザの非互換性による問題で、国内では60サイトに1サイトの割合で、Webブラウザによってはまったく表示できないなど深刻なトラブルが起こりえることが分かった。

 調査を行ったのは、アルゴ21、三菱総合研究所、Mozilla Japan。情報処理推進機構オープンソフトウェア活用基盤整備事業の一環として2006年度の行われたもの。Yahoo! Japanカテゴリからリンクされている国内20万サイトのトップページを調べた。

 9月13、14日の2日間、日本Linux協会主催で開催中の「Japan Linux Conference 2007」で、アルゴ21の伊藤宣博氏が講演を行った。

ブラウザやOfficeソフトを[F5]で便利に使う

 [F5]キーと言えば、Internet ExplorerやFirefoxでは「ページの更新」を行ってくれる。実は[F5]キーをほかのキーと組み合わせるといろいろな機能を利用できるのだ。

ブラウザの場合

 Webブラウザであれば、キャッシュを無視して更新する「スーパーリロード」が有名だ。Internet ExplorerとFirefoxともに[Ctrl]+[F5]を押してみよう。キャッシュに残った古い情報を再度読み込むことを防げるので、更新頻度が 高いニュースサイトなどで利用するといいだろう。[F5]も[Ctrl]+[F5]も濫用すると、Webサーバへの負担にもなる。「F5アタック」は避け てほしい。

PowerPointの場合

st_f501.jpg [Shift]+[F5]のほか、画面左下のスライドショーアイコンをクリックしてもそのページからスライドショーを実行できる。

 プレゼンテーションを多用する人にとって[F5]キーは「スライドショーの実行」で馴染み深い。PowerPointの場合、[F5]でスライド ショーを実行すると常に先頭のスライドから実行する。最初から確認できるのはある意味便利なのだが、いま確認しているページをスライド表示させたいことも あるだろう。

 その場合は確認したいページを選択しながら、[Shift]+[F5]である。もしくは画面左下のスライドショーアイコンをクリックしても実行可 能だ。なお、OpenOffice.orgのプレゼン作成ソフト「Impress」でも[F5]キーが「スライドショーの実行」に該当する。こちらは [F5]をクリックすると、選択しているページからスライドショーを開始する。

Word/Excelの場合

 WordやExcelでの[F5]キーは、単体で任意の位置へのジャンプする機能が利用できる。組み合わせての利用はWordが便利だ。 [Shift]+[F5]で「直前の編集位置に移動」したり、[Ctrl/Alt]+[F5]でウィンドウの大きさを「元のサイズに戻」したり、 [Shift]+[Ctrl]+[F5]で「ブックマークを挿入」したりすることが可能だ。バリエーション豊富で覚え切れないかもしれないが、ウィンドウ 下部にショートカットの名称が表示されているので、確かめながら利用してみるといいだろう。

 Excelでは、[Shift]+[F5]で「[検索と置換]ダイアログボックスを表示する」ほか、[Ctrl]+[F5]で「選択したブック ウィンドウを元のサイズに戻す」ことが可能だ。ちなみにOpenOffice.orgの「Writer」や「Calc」では[F5]キーを単体で押すと、 カーソルの位置などを表示する「ナビゲータ」ウィンドウが開くが、[F5]キーを組み合わせて使用するショートカットは確認できなかった。

st_f502.jpg Wordではウィンドウ下部に各ファンクションキーの機能を表示する。迷ったときは下を見よう
st_f503.jpg OpenOffice.orgの「Writer」や「Calc」では[F5]キーを単体で押すと、カーソルの位置などを表示する「ナビゲータ」ウィンドウが開く

jigブラウザ、「Googleカレンダー」と同期が可能に

 jig.jpは、携帯電話でパソコン向けWebサイトが閲覧できるブラウザアプリ「jigブラウザ」のスケジュール機能に、日本語ベータ版の「Googleカレンダー」との同期機能を追加した。

 「jigブラウザ」は、携帯電話でパソコン向けWebサイトが閲覧できるブラウザアプリ。さまざまな機能が追加できるプラグイン 「jiglet」が利用でき、今回、jigletで提供されているカレンダー機能「jigスケジューラ」と「Googleカレンダー」の同期が可能となっ た。

 ユーザーは「Googleカレンダー」に登録した予定を携帯電話と同期できるほか、jigスケジューラ上での予定の編集や新規作成も可能となっている。利用する場合は、メニュー内の「TOOL」から「jigスケジューラ for Google カレンダー」を選択する。

WebOSはSaaS時代のポータルになれるか

 AjaxWindowsは、既存のWebサービスの多くを直接、間接に呼び出す形になっている。その結果、Webブラウザの中で実現している仮想 的なデスクトップの中に、さらにWebブラウザ(のウィンドウ)が開くという不思議な状態になる。「だったら、はじめからWebブラウザとブックマークで いいじゃないか」と思う読者も多いだろう。

 私もそう思っていたのだが、しばらくWebOSを使っていて、考えが変わった。WebOSの本質は、実はWebサービスをまとめ上げるポータル サービスなのではないか。クライアントOSの代替と考えるから見劣りがするのだ。比較すべきなのは、Webブラウザのウィンドウ内でドラッグ&ドロップや リサイズが可能な“ウィンドウっぽい”インターフェイスを持つ、カスタマイズ可能なポータルサイトではないだろうか。

 そう考えると、WebOSには受け入れられる素地があるのではないかと思えてきた。

 例えば画像データを考えてみよう。撮影した写真はアルバムサービスにアップロードする。簡単な編集機能はアルバムサービスでも提供するだろうが、 今後は本格的な編集アプリケーションがSaaSで登場するだろう。そのとき、わざわざ画像ファイルをローカルにダウンロードして、別のWebサービスに アップロードするなどとは考えづらい。何らかのインターフェイスでオンライン連携することだろう。そうした水平分業や専業化が起こったとき、それらをつな ぐもの、言い換えるとマッシュアップする何かが必要だ。

 今後、複数のWebサービスを連携させて使う機会が増えれば、ユーザーはより自然な形の操作性を望むだろう。マッシュアップはプログラマだけのも のではなくなり、ユーザーはYahoo! Pipesのようにビジュアルで直感的な形で複数サービスをつなぎ合わせることを望むだろう。

 画像に限らず、たいていのサービスにはストレージが必要になる。データベースといってもいいかもしれない。例えば、新たに年賀状サービスに申し込 んだとき、ネット上にある自分のフォトアルバムと、やはりネットで管理している住所録を開き、ドラッグ&ドロップして年賀状を作成するという操作はきわめ て自然だ。

 新しい世代のプラットフォームなのだから、新しいデザインがあってしかるべきという考えもあるし、Webブラウザだけでいいという意見もあるだろ う。しかし、スタートボタン、アイコン、ウィンドウ、ドラッグ&ドロップといった“OS”に対する一般ユーザーの慣れを考えると、SaaSだ、マッシュ アップポータルだと説明するより、見てすぐわかる“ウェブのオーエスです”というメタファーのほうがずっと強力だ。

 タブブラウザのウィンドウサイズは固定的で、しかも基本的には1画面(1ウィンドウ)ずつしか表示できない。切り替えも面倒だ。そうしたUI上の制限も、今後さまざまなWebサービスを使うようになると大きくなってくるのではないだろうか。

「Firefox 2.0.0.7」公開、QuickTimeを通じた攻撃に対処

Mozillaは18日、Webブラウザ「Firefox」の最新版となるFirefox 2.0.0.7を公開した。今回のリリースでは、Windows上でQuickTimeを通じて任意のコマンドが実行される脆弱性を修正しており、 Mozillaではユーザーに対してアップデートを推奨している。

 Firefox 2.0.0.7では、QuickTimeのメディアリンクファイルを悪用することで、任意のコマンドラインオプション付きで規定のWebブラウザが起動さ れる脆弱性を修正した。この脆弱性は既に検証コードが公開されており、ユーザーが悪意のあるWebページを開いただけで任意のコードを実行させられる危険 がある。

 Mozillaでは、Internet Explorerを通じた同様の脆弱性に対して、Firefox 2.0.0.5で修正を行なっていたが、QuickTimeはその修正を回避する方法でブラウザを呼び出すことが判明したとして、この問題に対処した。ま た、QuickTime側でこの問題が修正されるまでは、ポップアップウィンドウとダイアログを表示させ、ユーザーをイライラさせる目的でメディアリンク ファイルが利用される可能性は残されているとしている。

携帯から「Googleカレンダー」の閲覧が可能に

 グーグルは、Webブラウザでスケジュール管理できるサービス「Googleカレンダー」が携帯電話からの閲覧に正式対応したことを明らかにした。利用料は無料。URL入力でアクセスできる。

 「Googleカレンダー」は、ブラウザから利用できるスケジュール管理サービス。自分自身のデータを利用するだけではなく、他の人にスケ ジュールを公開できたり、友人らとスケジュールを共有することもできる。これまではパソコンから利用できたが、今回、同社スタッフブログで携帯電話からも 閲覧できることが明らかにされた。

 iモード・EZweb・Yahoo!ケータイ対応の携帯電話から利用できる。携帯からのデータ入力は今後の対応となっており、現時点での主な機 能は閲覧のみ。ブラウザ経由でのアクセスのほか、あらかじめ携帯電話のメールアドレスを同サービスの設定項目に入力しておけば、予定時間の前に通知してく れる機能も用意されている。

【REMIX07】3D地図サービス「Virtual Earth」がWebサイトに自由に組み込み可能に

 マイクロソフトは9月19日,同社がWebで公開している地図情報サービス「Virtual Earth」の機能を,企業や一般ユーザーが自身のWebサイトに組み込む際に使用する日本語版開発キット(SDK)を公開した。同日開催したWeb技術 者向けのカンファレンス「REMIX07」では,リクルートがVirtual Earthの3次元地図機能を組み込んだWebサイトを披露している。

 マイクロソフトの「Virtual Earth」は,米Googleの「Google Maps」や「Google Earth」の対抗サービス。Google Mapsに相当する2次元地図だけでなく,Google Earthに相当する3次元地図もWebブラウザで閲覧できるのが,Virtual Earthの特徴だ。なお,Virtual Earthは2次元地図のみを利用するならプラグインは不要だが,3次元地図を利用する場合は,プラグインのインストールが必要となる。

 またVirtual Earthでは,地図API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を外部に公開しているので,マイクロソフト以外の企業や個人が,自身 のWebサイトにVirtual Earthの機能を独自に組み込める(マッシュアップ)。Virtual Earthの日本語版開発キット(SDK)は,MSDNのWebサイトで入手できる。

 マイクロソフトの磯貝直之氏は,Virtual Earthの特徴を「Webブラウザの中で3次元表示を実現していること。Webブラウザの中に収まる機能でないとマッシュアップがしづらい」と強調。独 自のクライアント・アプリケーションが必要なGoogle Earthと比べて,マッシュアップが容易であることをアピールした。実際に,REMIX07でリクルートが披露した「地球で旅行検索」(写真)も,3次元の地図を使って,旅行に適した場所を検索できるようになっている。

 現在,3次元地図として表示されるのは,山などの特徴のある地形や,米国を中心にした一部の都市だけが,近い将来,日本の都市の3次元地図も提供される ようになるという。マイクロソフトの磯貝氏によれば「Virtual Earthの3次元地図は,特殊なカメラを搭載した飛行機を飛ばして,実際に都市を撮影して作っている。実は現在,日本の各都市の上空を,このカメラを搭 載した飛行機が飛び回っている。日本の3次元地図も,まもなく提供できるだろう」と語っている。

NTTドコモ、ビジネスmoperaあんしんマネージャーを機能拡充

 NTTドコモは、法人契約者向けの携帯電話管理サービス「ビジネスmoperaあんしんマネージャー」の機能を拡充する。閲覧制限を設定できるURL数の拡大や管理グループの複数設定などを2008年春までに実施する。

 ビジネスmoperaあんしんマネージャーは、企業などの携帯電話管理者がWeb上から遠隔操作で各端末の設定や制御が行えるサービス。機能拡充 では、インターネットの閲覧を制限する「ブラウザ制限」機能で、登録可能なURL件数を9月29日から100件に拡大(現在は30件)する。また、 2008年春をめどにサブグループを設定できる機能や複数の管理グループを一括管理できる共通管理者設定機能を追加する。

 サブグループ設定では、1契約のあんしんマネージャーで管理するグループ内に複数のサブグループを設定できるもの。サブグループごとに管理者を設定でき、ほかのサブグループを区別して携帯電話の設定や制御を行える。

もっとXHTMLとCSSに注目してあげよう!

 今回もかなり駆け足で、Web標準……、XHTMLとCSSの関係について見てみました。いかがでしたでしょうか? Web標準が目指すものは「Webアクセシビリティ」です。そして、それを支える技術がXHTMLとCSSなのです。

  昔はWeb制作といったら、HTMLのタグをちまちまと手打ちでタイプして、FTPでWebにHTML文章を上げる方法が主流でした。Webサイトを作り たい人は嫌でもHTMLを覚えなければなりませんでしたが、いまはブログシステムのおかげで、HTMLの知識がなくても簡単にインターネット上にWebサ イトが持てます。しかし、このブログシステムも基本となる技術は「HTMLとCSS」ですし、Ajaxとも深いつながりがあります。

 HTMLほど目立っていませんが、XHTMLとCSSは日々活躍をしているのです。この記事をきっかけになかなか目に入らないXHTMLとCSSについて、もっと目を向けてみましょう。

デザイン担当のCSSって何もの?

 では、デザイン担当のCSSについて見てみましょう。CSSは「Cascading Style Sheets」の略で、直訳すると、「カスケード処理するスタイルシート」という意味になりますが、これでは意味が分かりませんね(笑)。

 「カスケード処理」とは、Webブラウザ、Web制作者、ユーザーが指定してくるスタイルシートの、どれを優先するのかを決めることをいいます。「スタイルシート」とはフォントの大きさや色、行間などをまとめた「デザインのひな型」です。

 CSSはデザインを表現するもので、テキスト文章で記述します。基本的な記述は

セレクタ{ プロパティ:値 }

 で記述します。セレクタとは、見出しや本文、引用といったスタイルを適用させる対象です。例えば、見出し(h1)を青い文字で指定した場合は、

h1{ color:blue }

 と記述します。HTMLのみのデザインだと、文字の大きさや色、背景色などいちいち修正しなければなりませんでした。しかし、CSSを使えば、デザインのリニューアル時にCSSのデータだけをいじればいいので、使い勝手がとても良いものとなっています。

ソースコードで違いを比べてみよう

 先ほどは見出しの部分だけHTML、XHTMLの例で見てみましたが、文章で比較すると、同じ内容でも以下のようにソースが違ってきます。XHTMLは文章構造を重視し、HTMLは見た目のデザインを重視しているのが、よく分かりますね。

具体的な違い

 HTMLを基に作られたので、HTMLとXHTMLはとても似ていますが違う点も多々あります。XHTMLはXMLをベースに定義されたので、文 法のルールがHTMLに比べて厳しいものになっています。また、XHTML 1.1からは、デザインを指定するタグが廃止され、より文章構造を示す言語に進化しています。

 ほかにも、HTMLと 違って「終了タグが省略できない」「要素名と属性は小文字で表記」「識別子にはid属性を使用する」「
と いった終了タグがなかったものも、終了タグもしくは、特殊な組織で記述する」といった違いがあります。XHTMLについてはW3Cが規格を発表しているの で、興味がある人は以下のサイトを参考にしてみましょう。

XMLとXHTMLのつながり

実は、XMLとXHTMLは非常につながりが深いのです。XHTMLをひと言で説明すると、「XMLで再定義されたHTML」なのです。

 HTML にはいくつかの問題点がありました。言語仕様が複雑で巨大になり、XMLデータの連携も難しく、拡張性が乏しいといった点がネックとなっていました。拡張 性が高く(Extensible)、XML文書の取り込みも可能な言語として「XHTML」が生まれたのです。

HTMLとXHTMLは何が違うの?

 HTMLとXHTMLは何が違うのでしょうか? 名前で見ると頭に「X」が付いているか、いないかの違いぐらいです。XHTMLはeXtensible HyperText Markup Language の略で、この「Extensible」は「拡張性、広げる、伸ばせる」といった意味で、XHTMLを直訳すると、「拡張HTML」といったところでしょう か。ん! どこかで聞いたようなフレーズですね。「拡張マークアップランゲージ」…… つまり、XML(eXtensible Markup Language)ですね。

いままでの(HTML/XHTMLとCSSを使わない)Webページだと、デザインにあわせてページを用意しなければならない

 また、HTMLのみでWebページを作成すると、画面に表示されるデザイン的な要素が重視され、文章構造はおろそかにされる傾向がありました。例えば、文章の中の見出しを、ちょっと大きめなフォントサイズの太字で青色で表示する際に、

第1章 Webバリアフリーとは何か?

 といった記述をしていました。

  大き目のフォントで太字の青色で表示されるのですが、これはデザイン的な要素を表しているだけで、文章の構造がまったく表されていません。見た目では問題 はないのですが、困ったことが出てきます。例えば、文章のリニューアルをするときに、この見出しのデザインを「赤色で本文と同じサイズ、太字は取り消し」 といった修正をするときに、すべてのタグを修正しなければなりません。

 また、文章構造がはっきりとしていないため、Webリーダーを利用しているユーザーにとっては、この「第1章 Webバリアフリーとは何か?」が、見出しなのか、本文なのか、はたまた引用なのか脚注なのか分かりません。Webアクセシビリティがよくないページですね。

Webの構造と表示を分離する?

 いままでのHTMLを使ったWebページは、「文章の構造」と「デザイン」を1つのHTML文章で表現していました。1つのHTMLで2つの機能を表現できるので、一見便利そうですが、実は大きな落とし穴があります。

  例えば、閲覧用のWebページと印刷用のWebページが必要なときは、同じ文章でも2つのページが必要です。さらに一般ユーザーとは別に、色覚異常のユー ザーに対して見やすいカラーデザインや視力が弱い人向けに文字が大きめのデザインのページを作成しようとしたら、専用のWebページを作成しなければなり ません。

 例えば、もし300ページものWebサイトを構築する際に、一般のページと印刷用ページ、見やすいカラーデ ザイン用ページ、大きな文字のデザイン用ページなどなど、別ページで作れば300ページ×4パターンで1200ページも用意しなければなりません。ページ の作成の手間はもちろん、サーバに対する保存容量も考慮しなければなりません。

みんなが使えるバリアフリーな環境を目指して

 では、「Web標準」が目指すものはいったい何でしょうか? それは、「ユーザーが平等に情報を得られる環境を作ること」です。これはIE 6では見られるけど、Firefoxでは見られないといった問題をなくすことはもちろん、視覚障害者、聴覚障害者や高齢者なども、健常者と同様に情報が入 手できることを目標としています。

 例えば、Webを読み上げる音声ブラウザ(視覚障害者向け)を利用してる人に対しても、きちんと情報が伝えられるように、音声や画像にはそれが何を表すのかテキストを付ける、ルビを振る。目が悪い人にも読みやすいフォントや色使いに変更できる、といった具合です。

 このようなアクセスのしやすさを「Webアクセシビリティ」といいます(accessibility=利用しやすい)。「Webバリアフリー」といい換えた方がイメージしやすいかもしれません

 いままでのHTMLでは、なかなか「Webアクセシビリティ」に配慮したサイトの構築が難しいものでした。そこでHTML/XHTMLとCSSを使ったWeb標準化の登場です。

“Web標準”の動き

 「第1次ブラウザ戦争」はIEの勝利で終わりました。しかし、圧倒的なシェアを占めたことが遠因となり、IEのセキュリティホールが多数発見され ます。そこで、セキュリティ的にもIEより安全で、RSSリーダーやタブブラウザといった多機能さ、またWeb標準に準じたエンジンを搭載したブラウザ、 Mozilla FirefoxやOperaがリリースされ、再びブラウザ間でのシェア獲得合戦が始まりました(これを「第2次ブラウザ戦争」と呼びます)。

  この第2次ブラウザ戦争では、W3Cが勧告する「Web標準」にどれだけ準拠しているか? という点も焦点になりました。IE 6はあまりWeb標準に準拠しておらず、よりWeb標準に準拠しているMozilla FirefoxやOperaが、IE 6に比べてアドバンテージを得ました。

 まだまだIEのシェアは8割以上を占めているようですが、ヨーロッパを中心にMozilla Firefoxの利用者は急激に増えているようなので、IEもうかうかしていられません。

昔は標準化されていませんでした

 実は2000~2002年ぐらいにかけてまで、Webに関する技術はかなり適当な部分がありました。HTMLの記述は同じでもブラウザによって表示が違っていたり、CSSが対応していないなど、Webページ制作者にとっては非常に大変な時代でした。

  なぜそんな事態になったかというと、1990年の後半はNetscape社のNetscape Navigator(以下、NN)とMicrosoft社のInternet Explorerが(以下、IE)どちらか多くのユーザーを獲得するか、熾烈(しれつ)な競争をしていました。これが俗にいう「第1次ブラウザ戦争」とい うものです。

「Web標準? Webを標準化することかな?」

 AjaxやXML、JavaScript…… 取り上げた技術用語は、知らない人は名前だけ見てもピンと来ないものばかりでした。しかし、この「Web標準」は知識がなくても何を意味するか大体分かりますね。

  けれども、「“Web標準”って、Webを標準化することなんでしょう。しかし、Webってそもそも、確かHTMLとかで標準化されているみたいだし、な んでいまごろになってイチイチ“Web標準”なんて出てくるの?」と疑問を持つ人もいるでしょう(するどい!)。確かに、そのような疑問を持つことは当然 です。

 では、まず「Webを標準化する」ことはどういうことを意味するか、解説しましょう…… とその前に「Web標準に至るまでの歴史」をちょっと振り返りましょう。

いまさら聞けない“Web標準”、そしてXHTML+CSS

Ajaxの定義の1つとして「XHTMLとCSSを使った標準規格のプレゼンテーション」というのがありました。前回の記事では、この部分をしっかり解説できなかったので、今回はこれについて解説をしましょう。

 といっても、Ajaxの補足説明が今回の目的ではありません。XHTMLとCSSを使った「Web標準」について紹介します(「XHTMLとCSSを使った標準規格」=「Web標準」)。

「Web標準」という単語はよく耳にしますが、具体的にどんなものか? XHTMLとCSSとどのような関係があるのか? さらに、XHTMLやCSSって何? といった点について見てみましょう。

Webブラウザでプレゼン資料を作る! - 「Googleドキュメント」に新機能

Googleは18日、Webアプリケーション「Google Docs & Spreadsheets」にプレゼンテーション機能を追加し、名称を「Googleドキュメント」に変更して公開した。

従来はワープロと表計算機能のみだったが、プレゼン機能はかねてからユーザーの要望が多かった機能だという。他の機能同様、Googleドキュメン ト上で他のユーザーとプレゼン資料の共有、編集することが可能。Webブラウザ上でタイトル入力やテーマの変更、画像の挿入といった処理が行えるほか、 「Microsoft PowerPoint」形式のファイル(.ppt)をアップロードして編集する機能も備える。作成したプレゼン資料は全体または限定公開したり、ZIP ファイルとして保存したりすることも可能になっている。

Googleドキュメントは日本語や英語、フランス語、中国語、ハングルなど24カ国語に対応している。

目指すは“世界一のブラウザ”

 「世界一使いやすいブラウザを世界に普及させたい」。国産ウェブブラウザ「Lunascape」(ルナスケープ)の開発者、近藤秀和さんの目標は壮大だ。スゴ腕プログラマーとしても知られる近藤さんに、ルナスケープの特徴、目指すものを聞いた。

「エクスプローラよりも常に先行」


近藤 秀和 こんどう・ひでかず
Lunascape株式会社 代表取締役兼CEO
 1977年、東京都生まれ。02年、早稲田大学大学院理工学研究科修士課程(情報・ネットワーク専攻)修了後、ソニー入社。04年8月、Lunascape株式会社設立、代表取締役兼CEO就任。
 05年度ソフトウェア・プロダクト・オブ・ザ・イヤー(経済産業省など認定)受賞など、ソフトウェア関連の受賞多数。
―― ルナスケープとは、どんなソフトですか。

近藤 ウェブ・ブラウザです。ブラウザはインターネットを使うために必須のソフトウェアなので、パソコンを使う人は誰でも使ったことがあると思います。

 最も普及しているブラウザは、米マイクロソフト社の「インターネット・エクスプローラ」。国内の普及率は8割以上といわれています。次が、モジラ 財団の「ファイア・フォックス」で8~9%。これらのブラウザに比べるとルナスケープのシェアは大きくはありません。国内のネット利用者の2%が使ってい ます。

 ルナスケープの特徴を一言で言うと、使い易さに尽きます。インターネット・エクスプローラよりも常に数歩は先行していると自負しています。ルナスケープ社のサイト(http://www.lunascape.jp/download/)から無料でダウンロードして使えるので、試してほしいですね。あえて、言葉で説明すると、タブ機能(複数のウェブサイトを並行的に閲覧できる)、ブックマークの管理がしやすいこと、最初からRSSの表示ができるように仕組まれていることなどが主なところです。

―― ルナスケープには、いくつかの種類があるみたいですね。

近藤 通常のブラウザのほか、ネット・オークションで商品を探したり、出品したりするのに適したものや、外出先などでPHSのデータ通信を使ってノートパソコンからネット接続するのに適したものがあります。

 広告業界の注目を集めたのは、ある自動車メーカー向けに作った車のデザインや雰囲気を取り入れたブラウザです。企業向けにブラウザをオーダーメードする、という発想が目新しかったのだと思います。

―― 収益は、どのようにして上げているのですか。

近藤 少し前まで、収入の大半はオーダーメードの企業向けブラウザの開発費などでした。

 今、力を入れているのは一人一人のルナスケープ利用者を対象にしたビジネスです。ルナスケープにあわせて、別のソフトウェアもダウンロードしても らったり、控えめな広告を出したり、ブラウザの機能を使って、あるウェブサイトにページビューを誘導したり、といったことを考えています。一部は実施して います。目先の売上よりも、1、2年先を見つめた仕事をしたいと思っています。